フィボナッチの解説
相場で言う「フィボナッチ」とは「フィボナッチ数列」のことであり、このフォボナッチ数列なくしてエリオット波動論を語ることは不可能である。
フォボナッチ数列=1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233・・・・・・・・・・・
初めての人は、この数列だけを見てどういう並びかわかるだろうか?
勘のよい人なら、隣り合った数字を足したものが次の数字になっていることがすぐわかるだろう。
肝心なのは、その隣り合った数字の分割比である。
一つは上位の数字に対して61.8%であり下位の数字に対して161.8%であること。
この比率は、数字が大きくなるほど1.6180という黄金比に近づいてくるので黄金分割比ともいう。
その他にも二つ先や後の数字との比率などにも様々な特徴があるが、長くなるのでここでは割愛するので、時間がある方は是非電卓をたたいて見て欲しい。
この黄金分割比を発見したのが13世紀のイタリアの数学者「レオナルド・フィボナッチ」であり、フィボナッチ比率とかフィボナッチ比率などと言われるようになった。
この比率は自然界に多く存在するものであり、ウサギの出生率、植物の葉序、向日葵の種の着き方、人のヘソの高さの位置、人工物でもエジプトのピラミッドに始まり、パルテノン神殿、ピタゴラスやプラトン、レオナルドダビンチなどの芸術作品、近年著名な物では国防総省のペンタゴンハウス(五角形)にステルス機等が存在する。
ペンタグラム(図参照)に代表される五角形は一辺を対角線として五角形を引いた場合、0.618倍の五角形が出来上がる。同様に1.618倍や合同の五角形も連続して作成できる。これを応用したのが
ペンタゴンチャートである。
有名な五角形の建造物としては、西洋の城郭、平安朝陰陽家の清明神社の紋章、伊勢の石灯籠の紋章、函館の五稜郭、ペンタゴンハウス等々で、中世のヨーロッパでは魔除けの紋章だった。
ピタゴラスは女性を2、男性を3として、その合計5を調和と正義の数としていた。
ダビンチの芸術作品は黄金分割比を利用していることは有名だが、彼の言葉の中に「あるものが正しい姿でなければうまくいかない」というものがあり、フィボナッチ比率のことらしい。
「
相場の正しい方向を掴む」のにもこの比率を当てはめたのがエリオットである。
余談
「フォボナッチ」を「フォナボッチ」と平気で告知したりセミナーを行っていた証券会社に幾度か指摘したことがあったし、現在でも1.236や1.382などの間違った比率(フォボナッチ比率ではない)で解釈しているアナリストをよく見かける。
PR